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飲食代の割り勘を考える : 松山大学柔道部・柔實会

飲食代の割り勘を考える

飲食代の割り勘を考える              柔實会会長二宮秀生  〈株式会社タカラレーベン西日本 代表取締役会長〉 

人間は食べなければ生きていけない。自分の生命を維持する為に食事は必要な行為である。よって自分の口に入る飲酒・飲食は自費と言うのが原則です。私は時折、社員と同行で出張することがある。出張した場合の部下の飲食代を私費で負担することがある。あくまでも私の私費である。学生時代からサラリーマン時代を通して、現在に至るまで、私の後輩に対する負担は私の信条である。たかが食事代だが、上司としてのプライドを保つ為の負担である。小額だが部下に対する思い(身内的信頼関係)の表現である。それは上司と部下の秩序を守る為に必要な負担であると考えている。

出張先の食事代を会社負担に出来ない理由がもう一つある。出張先でも社内でも食事はする。出張者のみ会社負担にすると出張しない社員に対して不公平である。しかし会社勤めをしていると会社の費用負担で飲食することがある。公式な会議であったりお客様接待であったりする。それはそれで仕事の一環として必要だと思う。一方で同僚同志や上司と部下での飲食をすることがある。これの会社負担を認めたらキリが無い。コレを会社負担にすれば会社の経費節約意識は崩壊してしまう。この節約意識を徹底しコントロールするのが上司の役目である。

 上司は口やかましく経費節約を毎日言い続けなければならない。何故なら、放っておいたら増えるモノは交際費・人件費などの出費である。放っておいたら減るモノとは売上であり利益である。しかし人間は機械ではないのだから飲酒飲食でのねぎらいや勇気づけが必要な時もある。そこで大切なことが割り勘の意識である。可処分所得での割り勘が良いと言う優しい人がいるが職場ではいけません。趣味の会での飲み会であれば良いかもしれませんが、職場の中の割り勘は役職地位による割り勘の格差でなければならない。上司が多く部下が少ない割り勘は、職場の秩序に不可欠な主従の関係を示すものだからです。

私の学生時代、先輩と後輩のけじめをつける為に上下関係にはルールがあった。先輩と後輩とが食事をする時、負担について先輩が後輩の面倒をみると言うルールがあった。あの頃の学生はみんな貧乏だった。それでも先輩からはおごって貰い、後輩にはおごってあげた。たとえお金持ちの後輩であっても、後輩にお金を出させるなど、もってのほかであった。仕送りは同じなのに、上級生になればなるほどお金がかかったものだ。借金をしても先輩のプライドを保つ人、自分は食べなくても後輩に対して面目を保つ人、お金が無い為出来るだけ後輩とは接触しない人、対応方法はそれぞれだが先輩と後輩間には秩序があった。後輩は先輩の顔を立て、先輩は後輩の面倒をみると言うけじめがあった。

 大人社会でも同じである。人はそれぞれ金銭的に個人的事情がある。しかし可処分所得を考慮した割り勘は間違っている。何故なら会社は経済戦争をしている軍隊組織である。上官は自らを困難危険にさらして初めて部下が付いてくる。親分は子分のために格好をつけなければならない。部下に対して一肌脱ぐのが上司である。部下と上司が同じ割り勘であれでは上官としての示しが付かない。職場の組織は対等になってはいけない組織である。和気あいあいの中にも上司としてのプライド・上司の意地が必要です。上司と部下の主従の関係を崩しているのは民主主義なのだろうか。希薄になった義侠心・利己主義の心の問題なのだろうか。