4年生追い出しコンパ
4年生追い出しコンパ 柔実会会長 二宮秀生
つい先日、卒業したと思ったら45年の月日が経っている。昨夜、松山大学柔道部4年生7名の追い出しコンパが池田寛先輩が経営する夢寛歩で行われた。OBから見たら歓迎コンパである。卒業生たちは厳しい練習と試合から解放されてほっとしていると思う。厳しい生活習慣から解放されて安堵していると思う。学生ボケしている卒業生たちに先輩として厳しいことを言わせてもらう。人世の試合において今までの4年間は練習期間である。これからが勝負の本番である。心技体、困難に立ち向かう闘争心、正々堂々として決して逃げない正義感、決して弱音を吐かない精神力、決してギブアップしない忍耐力、人としてあるべき博愛と惻隠の情、これからが柔道精神発揮の長期戦、本番勝負が始まる。
卒業していく皆さんは柔道を始めて以来、親や先輩が敷いたレールの上を走って来た。そして今、新しい路線のレールの上に乗っている。しかし、時代は激変している。AIとITによってロボットが登場してきた時代である。心技体の技と体はロボットがする。ロボットは休まない。ロボットは遅刻をしない。ロボットは忠実である。皆さんのライバルはロボットになる。皆さんは労働力では無くなった。努力しなければ機械の一部になってしまう。これからの人生にレールはアテにはならない。公務員だって大企業だってアテにならない。あなたの客車はいつどこで脱線するか分からない。自分の身は自分で守る!脱線事故を起こしたその時、柔道精神を発揮して、生き残れるのが柔道部員なのである。
松山大学の学習理念は真実・忠実・実用の三実主義である。何が正しいか見抜く洞察力、信用信頼の忠実、学んだことを実行する実用が学習理念だった。私は「三実主義は世界に通用する普遍的成功哲学」だと思っている。人生成功の要諦は信用・信頼だと思う。遅刻をしたり無断欠勤など約束を守れない者(決まりごとが守れない者)は何をやっても脱落してしまう。心の部分の義俠心や闘争心、責任感や倫理道徳、根性と熱意・ギブアップしない忍耐力、これらが人生を勝利する為に最も大切な部分となっています。人の世を支配するのはこの目に見えない心の部分なのです。あなた達の信用・信頼は生活習慣から始まります。正しい生活習慣が正しい考え方に繋がり正しい行動に繋がります。そして信用・信頼された時、白羽の矢が立ち抜擢されます。信用こそが人生の試合を勝利する最短距離となります。
人は価値があると思ったものにお金を出します。人は1千円が高いと思ったり、1万円が安いと思ったりします。柔道部で経験したことは生活において百万円、一千万円の価値かもしれない、仕事においては10億円100億円の価値かもしれない、柔道精神は銭金に替えがたい精神です。OB会会費を払うことは今の自分が持っている自分の価値の確認になります。余裕のお金が無い時もあります。事件や事故に合うこともあります。借金に追われることもあります。その時、1万円がOB達の知恵と経験の引き出しの中の100万ドルの価値に代わります。OB会は卒業生にとって実家の様なものです。実家はありがたいものです。
昨夜は五島先生からと水口先輩から含蓄のあるお言葉を戴いた。中嶋部長・樗木監督からは励ましの言葉を戴いた。学生達は退任する生島コーチに感謝の言葉を述べた。生島コーチを含めて私達の生活環境は日々変化しています。良くなったり悪くなったり試練の連続です。明日何が起こるか分かりません。一寸先は闇であり光でもあります。私達はピンチやチャンスの中で、右往左往しながら前に進んでいます。人生では土壺はまることがあります。八方ふさがりで失望のどん底に落ちることがあります。何が起こっても死んではいけません。たった一度の人生です。生きてさえいれば何とかなります。OB会はどんな場面のあなたも受け入れて貰える。励まして貰え元気を与えて貰えます。実家の門は常に開いています。これからが本番の試合開始です。頑張って戴きたい。