ノウペイン、ノウゲイン、代償の法則

ノウペイン、ノウゲイン、代償の法則               柔實会会長 二宮秀生 〈株式会社タカラレーベン西日本 代表取締役会長〉 

 英語の格言に『ノウペイン、ノウゲイン』と言う言葉がある。『痛みなくして得るものなし。』と代償の法則をうたっている。サラリーマンだろうが自営業者だろうが苦労なしに欲しいものを手に入れる事は出来ない。何かを手に入れるためには代償を差し出さなければならない。努力をしないで成功を夢見る人がいる。何をやっても上手くいかない人がいる。大成功した人や小さな成功の人がいる。失敗者も成功者もきっちり代償の法則が成り立っている。目指すもの手に入れる物が大きければ大きいほどその代償も大きくなる。

 人は日陰の部分の苦労を見ずに、輝かしい光の部分だけを見て羨ましがる人がいる。『二宮さんは強運やなあ。』と言う人がいる。とんでもない。私は会社がすべてだった。余暇も家庭も全てを代償に差し出した〈犠牲にした〉男である。家族を随分粗末にしてきた。今その償いをさせられている。野望は大事だか、成功するためには野心に相当する代償を決めなければならない。何を代償として差し出すか。時間を代償に差し出すか、お金を差し出すか、家庭サービスを差し出すか、友達との付き合いを差し出すか、趣味を差し出すか、自分で差し出す代償を決めなければならない。『代償は差し出したくない(努力はしたくない)が成功はしたい』などは通用しない。

 反論する人がいると思う。宝くじが当たった人はどう説明するのか。苦労なくしてお金儲けに成功した人がいるではないか。一所懸命勉強したのに目的の学校へ行けなかったり、目的の職場に就職できなかったりする。柔道部で4年間コツコツと頑張ったのに成果が出なかったのはどう説明するか。これらの話も全て代償の法則は成り立っている。差し出した代償(苦労)は決して無駄にはなっていない。

 代償として差し出した苦労に対して成果が出なかった人は、『天の蔵』に貯金をしていることになっている。いつかどこかで必ず天の蔵の貯金が役立つことがある。一方で、代償を差し出さないで成功を手に入れた人は、『天の蔵』から借金していることになる。借金はコツコツ返さなければ代償の法則によって、いつかどこかでドカーンと痛い目(借金取り立て)に合う。天の蔵からの借金取り立ては想定外の事件や事故、経営危機や家族崩壊危機などの形でやってくる。薬草〈勤勉〉の種をまいた者は薬草(成功)の実を刈り取る事になり、毒草〈怠惰〉の種をまいた者は猛毒〈不幸〉の実を刈り取らなければならない。代償の法則とは因果応報の法則と言う事である。一見報われないと思われる努力も、何時かどこかできっと役に立つ。長い人生の中で、代償の法則のつじつまは合っているように思う。先人たちは明言格言として人生の教訓を残している。