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強さと優しさ : 松山大学柔道部・柔實会

強さと優しさ

強さと優しさ                    柔實会会長 二宮秀生  〈株式会社タカラレーベン西日本 代表取締役会長〉 

 指導者(リーダー)はどうあるべきか、私が一番に挙げているのは強さだと思っている。役職ポストの権限を自分の力と勘違いしてはいけない。強さとは権力ではない。乱暴な言葉が強さでもない。強さとは人を言い任せる話術ではない。本当の強さとは決してギブアップしない精神力だと思っている。言葉は優しくてもドーンと腹の据わった胆力である。窮地に立っても決して泣き言は言わない。難しい仕事でも弱音は吐かない。困難に一喜一憂しない姿勢である。困難に向かって立ち向かっていく姿にある。弱い部下から見たら次から次と起こってくる諸問題を率先垂範して克服して行く頼もしい姿にある。人から頼られる姿である。

 会社人事においてリーダーを選ぶ時、大切なことは強さだけで良いのだろうか。仕事が無難にこなせることだろうか。成績だけでいいのだろうか。会社が大きくなれば各部門に目標値(ノルマ)が課せられる。部署に目標が張り付けられ自分の目標が主目的になりがちだ。組織全体の利益を忘れ、社員は保身の為の私利私欲(自分の仕事だけ)に走りがちになる。そこで会社組織の中のリーダー選びで忘れてはならない大切なことがある。それは愛社精神である。会社に感謝し会社を愛する心である。給料を貰う為に嫌々会社に出社するような人をリーダーにしてはいけない。会社の悪口を言ったり、同僚の足を引っ張りするような者をリーダーにしてはならない。人を嫌えば人から嫌われる。軽蔑すれば軽蔑される。裏切れば裏切られる。リーダーには信頼関係における信用が不可欠である。リーダーは人に対して忠実でなければならない。

 独立や転職の準備の為に存在するような社員は百害あって一利もない。独立や転職した時、元の職場の人達から祝福され支援されるような人でなければ絶対に成功しない。私は転職を決意した1年間、内辞発表の日まで、支店長と自分の2人だけの秘密にした。最後の1年間は意識して誠心誠意(愛社精神を持って)必死で働いた。私は大切な同僚との離別で泣いた。同僚たちも祝福して送り出してくれた。私は38歳までいた会社に対して、今でも自分の会社(実家)の様な気持を持っている。懐かしい作業服を見ると今でも声をかけてしまう。何十年経っても彼らと私は同僚の気持ちで接している。見知らぬ人達だけになったその会社を、私は私を育て鍛えてくれた会社として、今でも感謝し愛している。その会社に対する感謝の心に対して、退職後、その実家から何十倍と言う援助(仕事)を戴いた。いわんや今の職場(株式会社タカラレーベン西日本)おやである。私は会社を自分の分身のように愛している。

 次の世代の皆さんに言いたい。人を愛すれば人から愛される。同僚を愛すれば同僚から愛される。部下を愛すれば部下から慕われる。後輩を愛すれば後輩から慕われる。会社を愛するとは会社で働く社員一人一人を大切にする心だと思う。まずライン上の部下の一人を思いっきり大事にしてみて欲しい。一週間思いっ切り大事にしてみたら気付くことがあります。あなたに対する目つきが変わります。部下との信頼関係が生まれ愛社精神に発展して行きます。部下に変化がなければ、あなたがその部下を思いっ切り大事にしていなかったと言う事です。普通に冷たく心なく形式通り淡々と接していたと言う事になります。愛とは心を受けると書きます。愛とは心の受け答え、心の響きあいと言う事です。心が伝わらなければ魂のこもった仕事(行動)にはなりません。心が伝わらなければ魂のこもった人間関係にはなりません。スポーツでもビジネスでも同じだと思う。組織(チーム)の結束が弱いのはリーダーに責任があるように思う。指導者(リーダー)に大切なことは真の強さと愛(優しさ)ではないだろうか。