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織田信長と仕事観 : 松山大学柔道部・柔實会

織田信長と仕事観

織田信長と仕事観                  柔實会会長 二宮秀生 〈株式会社タカラレーベン西日本 代表取締役会長〉 

 中学生になって初めて柔道の試合に臨んだ時、相手が大きく見え相手が強そうで心臓がどきどきしたものだ。飛び込み営業を始めた時、チャイムが押せず玄関先をうろうろしたものです。何かを始めた時、誰にでも経験がある事だと思う。今から戦う相手を前にしたとき初心者にはすべての敵が大軍に見える。地位のある人や年齢の上の人を見ると、交渉する前から怖じ気付いててしまう。戦う前から怯えや怖じ気に陥る事を『位負け』と言う。少年時代に格闘技(スポーツでの勝負)をさせる事はのちの長い人生にとても役立つと思っている。負けるのではないだろうか。そう思ったらもうすでに負けている。勝負事(人生)とはそんなものです。信長は『人間50年。下天の内を比ぶれば、夢幻の如くなり。一度生を得て、滅せぬもののあるべきか。』と言い放って、乾坤一擲、桶狭間に出陣した。

 ビジネスマンは自分なりの人生観と仕事観を持って生きるべきだと思う。『理想を持ち、信念に生きよ。理想や信念を見失った者は、戦う前から負けているといえよう。そのような者は廃人と同じだ。必死に生きてこそ、その生涯は光を放つ。』とデカルトは言っている。信長は今川義元の配下になる事を受け入れなかった。信長はデカルトを学んだ訳ではないが戦術を絞った。『攻撃を今川義元の首一点に集中せよ、無駄な事はするな。』と言い放った。いつの時代も何をしでかすかわからない変わり者が世の中を変える。信長は義元の首を取って時代の寵児に躍り出た。異端者を受け入れる器量が武将(リーダー)には必要である。

 組織に貢献してくれるのは『優秀な部下』よりも『忠実な部下』の方だ。例え理想的な部下でなくても、少々ドン臭い部下でも忠実な部下を切り捨ててはいけない。およそ勝負は時の運によるもので、計画して勝てるものではない。勝てなかったら勝てるまで二の矢・三の矢でチャレンジすれば良いのだ。ギブアップしない限り勝利への一里塚(成功過程)に過ぎない。マグレ(幸運)で勝つこと(功名を立てること)もある。功名は武士の本意とはいっても、そのあり方による。戦に有利かどうかと兵力は必ずしも比例しない。最近、『人手が足りない、兵力不足だ。』とアチコチで耳にする。この言葉を言うリーダは戦う前に出来ない言い訳を言っているように聞こえる。『少数精鋭だ。どんな結果になっても俺が責任を取る。絶対に義元の首を取ってこい!お前が信長になれ!』と言いたい。長い人生には生死をかけて乾坤一擲の勝負をしなければならない時ある。勝てるかどうか仕事をやり遂げれるかどうかは戦術、つまりリーダー(指導者)自身の気迫にかかっている。