講道館柔道とプーチン大統領

 講道館柔道とプーチン大統領

ロシアのプーチン大統領は柔道家である。安倍総理大臣とプーチン大統領は、16日の夕方、嘉納治五郎が創設した講道館を訪れ、柔道の演武を見学した。森元総理大臣や全日本柔道連盟の山下泰裕副会長、柔道の男子日本代表の井上康生監督らが出迎えた。プーチン大統領は、森元総理大臣から、黒帯をつけた柔道家の人形をプレゼントされた。このあと、両首脳は、山下副会長の説明を聞きながら柔道の演武を見学した。

ロシア側から、『難しい話のあとは大好きな柔道に触れ、山下と会ってリラックスして帰りたい』と打診があったことで実現した。山下氏も『大統領に少しでもくつろいで戴いて、笑顔でいいイメージで帰って貰えたのなら嬉しい』と話した。懇談内容の一部に今後は柔道を通じた交流を進めていきたい考えを示した。柔道経験者から見るととても親近感のある大統領に思える。柔道家としての粘り強さは理解できるが、正々堂々とした講道館柔道の精神であって欲しいものだ。

講道館創設者・嘉納治五郎の精神とは
嘉納師範は、単に技を修得するだけでなく、天下の大道を学ぶものとし、その教育場を『講道館』と呼んだ。柔道の目的は、身体を鍛練して強健にし精神の修養につとめて人格の完成をはかり、社会に貢献することであると示している。

柔道を学ぶことの目的を『精力善用・自他共栄』としている。精力善用の精力とは心と体のこと。善用とは最善活用の略で、心身の持つすべての力を最大限に生かして、社会のために用いるべきだとさし示している。自他共栄とは自分だけでなく他人と共に栄える世の中にしようとする為に作り出した理念である。相手を敬い、感謝することで信頼し合い、助け合う心が育まれるとし、人間の歩むべき道を提示している。相手を助け、高め合い、互いに栄えることを意味する。世を補益するのが柔道修行究極の目的であるとしている。まさに北方領土の共同開発が自他共栄そのものである。その為の努力が最善活用となる。以下、嘉納治五郎の名言だが、経済人や政治家にも通用する社会貢献に成功する普遍的真理を説いている。とても分かりやすい。

◆人に勝つより、自分に勝ちなさい。

◆何事も、初めからうまく行くことは、少ないものだ。

◆人生には何よりも「なに、くそ」という精神が必要だ

◆自分の心に生じる欲望に打ち勝つのは、敵に勝つよりむずかしい。

◆人生はいろいろな難関に出くわす。恐れをなしちゃいけない。
難関が次から次へとやってくるから面白いのだ。

◆時間を最も有効に利用した者に、最も立派な仕事ができる。
  よく、時間がない、時間が足りないと、出来ないことを時間のせいにする人  がいる。しかし、時間は泉水のように、いくらでも出てくるものだ。

◆勝って、勝ちに傲ることなく、負けて、負けに屈することなく、
  安きにありて、油断することなく、危うきにありて、恐れることもなく、
  ただ、ただ、一筋の道を、踏んでゆけ。

柔道を学ぶ学生たちに言いたい。柔道の試合で勝利の確立は二分の一です。全員が優勝することはできない。
将来柔道で食べていくことは更に難しい。どんな分野に就職しても社会人として成功することについては、柔道を学んだもの全員が成功出来まます。
本当の勝負は社会に出てからが勝負です。学生たちは人生に勝利しなければなりません。学生諸君、柔道を学ぶことの真の目的を見失ってはならない。
柔實会会長 二宮秀生