濱田初幸教授(鹿屋体育大学)による論文 『南仏地方の柔道実態について』

濱田初幸教授からの報告、「南仏地方の柔道実態」について                                            柔實会会長 二宮秀生  

 松山大学柔道部後輩の濱田初幸教授(鹿屋体育大学)から私の元に、フランス柔道の研究報告書が届いた。先のリオデジャレイノ・オリンピックでは日本は12個のメタルを獲得することが出来た。フランス柔道は日本の次のメダルの多さで5個を獲得している。しかも最重量級では男女ともにフランスに金メタルをもたらしている。今年の春、濱田氏の案内でフランスから柔道使節団が松山にやってきた。私も松山大学OB会を代表して彼らを歓迎した。

 濱田教授の報告で驚くことがある。まず柔道人口が違う。フランス58万人に対して日本では16万人と少ない。総人口に対する比率ではフランスは更に日本の6倍の柔道人口となっている。その原因は国策にある。移民国家であることの治安を柔道で克服しようとしている点にある。フランスでは柔道を通して人間教育(道徳規範の徹底)を図っている。フランスの柔道指導はボランテァではなく指導者の生計を伴う私塾となっている。フランスの柔道指導資格は国家資格である。その指導理念は日本のそれを凌駕しているかもしれない。

 その道徳規範は日本の武士道を引用していると言う。礼儀・勇気・友情・克己・誠実・謙虚・名誉・尊敬に及んでいる。日本の戦前の教育勅語に謳われている徳目である。子供たちは柔道の修行の中で人間としての色々な徳目を学ぶ。私は人生を勝利(成功)する学問が柔道であると信じている。講道館柔道は普遍的成功哲学だと思っている。彼の報告が日本の教育界に一石を投ずることになれば嬉しいと思っている。